最後のジョージTスタッグ

 

 常連のお客さんと海外ゲストが数組一緒になって飲んでいたときの事、「広島のこの小さなバーで出会ったのも何かの縁だから奢るよいいバーボンを一緒に飲み交わそう」ととある方。
 この店で一番いい酒を というリクエスト それならばとジョージTスタッグをチョイス

 全員で乾杯!!なんてぜいたく。

 GTSも残りわずかに。これがどんなお酒なのか なくなる前に紹介しときます。

 George T. Stagg

 このお酒はブラントンで知られているバッファロー・トレイス蒸留所から毎年1樽のみ限定で販売されていたウイスキー。生産されているのはボトル本数にして年間300本程度、まさに究極のシングルバレルです。

 BT社長ほか各部門の最高責任者数名がテイスティングした16種類の最高品質のウイスキーサンプルの中から、たった一樽のみを選出して毎年一度だけ商品化、各バイヤーに卸される数も決まっているので店頭で見ることはまずない代物。もちろんノンチル・ノンフィルタードで、なにも手を加えなくてもそのままで飲むに値するウイスキーのみができる手法です。

 2002年に初めてリリースされて、「American whiskey of the year 2002」に選ばれています。
一度だけの企画のはずでしたがあまりに美味しいと評判でファンから切望されたため翌年も最高のウイスキーを蔵出しすることに。以降毎年一樽ずつ(2005年のみ3樽?)リリースされていたようです。

他サイトの情報をみると
2002年 127.6 proof (68.8%)
2003年 142.7 proof (71.35%)
2004年 131.8proof (65.9%)
2005年 130.9 proof (65.45%) 131.8proof (65.9%) 141.2 proof (70.6%)
2006年 140.6 proof (70.3%)
2007年 144.8 proof (72.4%)
2008年 141.8 proof (70.9%)
2009年 141.4 proof (70.7%)
となっているようです。

 はい、かなり度数が高いです。ただこれほどまでのハイプルーフにもかかわらず思いのほかまろやかな口当たり、いつまでも続く芳醇な余韻。完璧なバランスのバーボンです。だんだんハイプルーフになる傾向なんですかね?それ以降のデータはありませんが、うちにあるのは[2016年 144.1 proof (72.05%) ]となっています。

 アメリカの法律では「125プルーフ以下で樽詰めすること」というバーボンの定義があるので、その後の熟成年月の中で度数が高まったのか、ジョージTスタッグは15年以上も厳しい環境のなかで熟成されたものなのでそれも納得。スコッチやジャパニーズなど寒い地域で熟成された物ならいざ知らず、昼夜の温度差が激しいケンタッキー州では通常15年は長期熟成ものになります。そこらへんが混同されやすいので最近のバーボンやアメリカンウイスキーには「○○年」といった表記がなくなってきたのかなぁなんて個人的には考えてしまいます。

 2018年になるタイミングで明治屋さんの扱いではなくなったようで、その時に聞いたのは2017年以降新たなボトルのリリースの予定はなく、現状では2016が最後のジョージTスタッグになるのではということ。

 この最後のボトルも世界に300本とないものですよ( ´∀`

 とはいえ大事に飾っていても意味がないですから、飲み物なんで飲まないとね。劣化もしますし。
こういう時に飲んでもらえてうちとしても嬉しいですし、作り手としても本望なんじゃないでしょうか。

 その節はありがとうございました!

 あと少し残っているので最後を締めくくりたい方、お早めに。

 

 ちなみにジョージTスタッグというのは人物の名前で、同社が創業当時経営が不調で幾度かオーナーが変わる中、数人目にバトンを渡された経営者の名。業績を回復するのに尽力したと伝えられています。

“最後のジョージTスタッグ” への1件のコメント

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