イングリッシュ・ハーバー・リザーブ/ラム

引き続きラム酒の紹介です

English Harbour Reserve 10years
イングリッシュ・ハーバー リザーヴ10年

今回箱つきだったので裏面の読んでいくと、
「カリブ海に浮かぶ島、アンティグア・バーブーダのラム酒づくりは350年前に遡り、イギリスの植民地であるゆえに英国海軍やその職人たちに向けて質の高いラムを作り続けてきた」三角貿易で砂糖などと同じくラム酒づくりも盛んにおこなわれてきたんですね。
「完璧に作り上げたアンティグアの良質なラムだけを提供してきた」とあります。「そして今日に至るまで上等なラム作りの伝統を世代ごとに受け継いできた結果、偽りのないブランドを育んできた」とも。
「銅製スチル蒸留と小振りなオーク樽熟成の、自然な製法のラムの味を越えることはできない」
天然製法にこだわったつくりなんですね。

イングリッシュハーバーというのはアンティグア島にあるヨットハーバーのリゾート地の名前。
真っ白ないくつものヨット(クルーザー)で埋め尽くされている写真が印象的です。

日本にきてうちみたいな静かなバーに来る方たちはやはり毎年大型休暇をとる方が多く、カリブ海に行ったことがあるかと聞くと結構な確率で「ある」と答えられます。
話を聞いているだけでも最高なんだろうなと創造に難くないです。今年で一気に行ってみたい場所トップになりました。

ラムの種類

みなさんが想像するラム酒はキャプテンモルガンみたいな味付けのしてある甘いラムを思い浮かべる人が多いと思いますが、ラムにもいろいろあって
ラム酒の表記には「RUM」「RON」「RHUM」と3パターンあります。
この表記の違いで買う前に大体の味の系統を予測することができます。

  • RUM  : イギリス系。ウイスキーぽいドライさがある
  • RON  : スペイン系。甘みが強い
  • RHUM : フランス系。ブランデーのような風味

これに加えてスパイスドラム「SPICED」と書いてあるものは何かしらの味付けをしているのですが、ハーブだったりスモーキーさだったり、甘味だったり、それも含めて楽しもうというものです。
さっきも書きましたがモーガンなんかはその典型ですね。

 

年数表記について

今回のボトルはイングリッシュハーバーのリザーヴ・10年物です。
ウイスキーなどのスピリッツは、たとえば10年と書いてあるときは
「10年未満の原酒は使ってない」
という意味で、それ以上のものが入っているボトルになります。
このイングリッシュハーバー・リザーヴには
「25年までのものが使われている」
と明記されています。すばらしい。箱に入っていてよかった。

ウイスキーもそうですが〇〇年と書かれているものは基本的にはブレンド(ヴァッティング:同じタイプの原酒同士のかけ合わせ)されたものですが、せいぜいプラス5年前後の原酒が使われるのが一般的じゃないでしょうか。そこいくとプラス15年というのはすごいです。利益重視の会社なら間違いなく別商品として数万で売り出すじゃないですか。プライドをもって作っていると書いてあるだけのことはありますね。

ラムとかバーボンとか暖かい地域で作られている蒸留酒の熟成年数を年数表記だけ見て少ないからちんけな酒と見るのはまちがいですよ。熱い地域で熟成酒を作るには寒い地域とはまた違ったむずかしさがあります。わざわざ標高の高い山の上で熟成させるとこなんかもありますね。寒暖差のある地域で作られるバーボンも同じくです。

 

テイスティングノート

赤みがかった褐色
甘い香り
ややハードな口当たりから一遍、すぐにクリアな甘味も口の中に広がる
舌にのせるとじわじわと熟成感がいっぱいにオーク樽由来の香り のど越し柔らか
香りの余韻はさほど長くない すっきりと飲めるが 舌を通り過ぎていったビリビリとした余韻が長期熟成原酒を思わせる

 

ただ強い酒をあおるだけもいいですが、どういう風にして作られた物か知ってから味わうと
より一層美味しさが増すものですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。