バーボン・勘違いあるある

 バーボンってなに

 国産ウイスキーが浸透してきたのに連れて、日本のウイスキーのお手本になったスコッチウイスキーが好きな人も多いとおもいます。
 バーボンというとまだまだ知られていなかったり誤解されていることが多いのでバーボンって何なのか書き出してみることにしました。

 

 そもそも「ウイスキーとバーボンの違いってなんですか?」って聞かれることがあるんですが、そういう時は「同じです。」って答えています(笑) 両方ウイスキーだからです。

 スコットランドとかアメリカとか、もちろん日本でも、ウイスキーは世界中で作ることができて今では十数か国で作られています。なので分類分けするときはまず国ごとに分けるんです。
 作る国の気候・土壌・民族性なんかで大きく味が変わるからです。

  次に、ウイスキーは穀物からできているので、その国で採れる穀物によってどんなウイスキーがつくれるのか特徴が変わります。最後に、その国ごとに独自の法律があり、それに沿ったジャンル分けされた名前で表記されています。

 バーボンとはアメリカで作られる数種類のウイスキーのうちのひとつです。
 アメリカには6種類ほどのウイスキー・タイプが法律で決められていたと記憶していますが、アメリカで採れた豊富な穀物の中から一定基準の、最もバランスのよい配合から作られてたものがバーボンと言えます。

 そのほかには、コーン・ウイスキー(トウモロコシ)とかライ・ウイスキー(ライ麦)とかウィート・ウイスキー(小麦)といった種類がありますが、それらのウイスキーをつくった後でブレンドするんじゃなく、作る前に配合比率に従って穀物をブレンドしたものからウイスキーをつくっていくという方法です。
 なので、トウモロコシだけのウイスキーでもないですし、スコッチやジャパニーズでいうブレンデッド・ウイスキーとも違います。(アメリカン・ブレンデッドはまた別にあります。)

 

 輸入されたウイスキーのボトルの裏には日本の輸入業者が貼った管理用のラベルがありますが、「原材料:モルト、グレーン」と大概書いてあります。これもモルトウイスキーが主流な国の言い方で、モルトかそれ以外(Grain:穀物)という分け方なのも表現が違うんじゃないかなと。
 モルトとブレンデッドについては調べればいくらでも出てきますが、これはまた別の機会に。

 

 バーボンの定義

 「バーボンは ケンタッキー州で作られてないといけない」って聞いたことのある人。多いと思いますが、これも間違いです。

 

 開拓時代に「ケンタッキー州のあたりにあるバーボン郡から仕入れているウイスキーがなんかうまいらしいぞ!?」っていう口コミから、酒屋やバーで注文するときに「バーボン(産のやつ)くれ!」って言ってたのが名残りらしいです。

 ですが、「ケンタッキーで産まれたウイスキー」であって、そこで作らないといけないわけではありません。

 法律で決められているバーボンの定義とは

 ・アメリカ合衆国で製造されていること
 ・原材料のトウモロコシの含有量は51%以上80%未満であること
 ・熟成に使うのはオークの新樽で内側を炭化皮膜処理していること
 ・80%以下の度数で蒸留されていること
 ・熟成樽に入れる前のアルコール度数は62.5%以下であること
 ・瓶詰めするアルコール度数は40%以上であること

 です。
 これに加えて、
 ・2年以上熟成したものは「ストレート・バーボン・ウイスキー」と表記できる。
 とか、

 

 ・同一蒸留所で製造している
 ・同年の、一季節に蒸留した原酒だけを樽詰めしたものを
 ・政府監督下の保税倉庫で
 ・4年以上熟成されたストレート・ウイスキーで
 ・50度(100プルーフ)で瓶詰すること

 としたさらに厳しい基準の法律も存在する。これは「ボトルド・イン・ボンド法(B.I.B.)」という連邦法によって定められたバーボンの品質を保証するものです。

 その昔密造酒が多かっただけに、世界でも最も厳しい基準をクリアしたウイスキーがバーボン・ウイスキーと言えます。

 さらにクオリティの高いバーボンを探そうと思えば、数ある原酒の中からよくできたものだけを厳選し、他の樽と混ぜ合わせずにボトリングしたシングルバレル(スコッチなどではシングルカスクという)が多いのもバーボンの魅力のひとつであり、特徴です。
 気候の特性として長期熟成が難しく15年もの以上になると極端に少なく、希少になります。
 新樽を使った熟成と寒暖差の激しい気候で樽成分の抽出が早く、呼吸も多いので7年熟成でも十分すぎるほど。

 「4年とか7年とか熟成年数少ないんじゃないの?」って思った方もいらっしゃるとおもいますが、寒暖差が激しいところでは熟成が早く進み熟成のピークが早いので、20年とか熟成させると逆に寝かせすぎになり、味が落ちることのほうが多いそうです。やりすぎりゃいいってモンでもないんですね。
 徹底した温度管理で超長期熟成バーボンとかもありますが、7年ものでもうまいものはうまいし、12年とかでもそこそこのものはありますしね。

 

 色々な国でそれぞれの個性があるのがウイスキーです。どれがいいかは好みなのであとは少しでも多く味見してみてウイスキーを楽しんでください。

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