今日はウイスキーマガジンの最新記事から。
スコッチウイスキーに新しい流れが
昨年、広島でもクラフトビールブームが話題になりましたが、アメリカでは未曽有のクラフトウイスキーブームが起きています。その流れからスコットランドでも新しいタイプのウイスキーを作ろうとしている蒸留所があるようです。
ローンウルフ蒸留所とツインリバー蒸留所です。
ウイスキーマガジン記事 [スコットランドにも波及する米国のクラフトウイスキーブーム ]
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ドイツから輸入したポットスチル(単式蒸留器:写真右)とコラムスチル(連続式蒸留器:写真左)で、ライ麦、小麦、大麦とアメリカン・イーストでマッシュビル(原料穀物比率)を組み、複数のタイプのウイスキーを試している、と。様々な品種のオーク材で樽を試作してチャーレベル(焦がし具合)を変えてウイスキーを熟成させてみる、とも。
これ、まさにアメリカンウイスキーの製法なんです。
”スコットランドの蒸留所という旧来の枠組みに収まるつもりはありません。幅広いスピリッツ(蒸留酒)の世界で、クリエイティブな仕事をしたいと願っています。” とは、ローンウルフの代表の言葉。
モルトウイスキーがスコッチウイスキーを代表するウイスキーなのは、その昔は容易に手に入る穀物で酒造りに向いていそうなのが大麦くらいだったからです。世界中で流通網がつながった今、より美味しさを求めて、独自性を求めて新たな製法を試すのは自然の流れですね。 個人的にはもっと早くこういう人が表れてもよかったんじゃないかと思っていますが、スコットランドには、出来上がった種類の違うウイスキーを混ぜ合わせる「ブレンデッド・ウイスキー」が確立されているので、「マッシュビルを考えて作り上げたウイスキーそのものを楽しむ」という文化は発展しなかったんでしょうね。
どちらも一長一短というか、それぞれの個性があり、まったく違うウイスキーとして楽しめるので飲み手としては楽しいです。
ところで気になったのはこの写真
ローンウルフの蒸留器ですが、以前紹介したアメリカのKoval蒸留所ととてもよく似ています。
記事:コーヴァル蒸留所
記事:Kovalシングルバレル・バーボン
その他の新しいアメリカの蒸留所では同じような近代的はデザインのスチルがよく見られます。ポットスチルとコラムスチルの組み合わせです。ウイスキーの教科書的な本で見ていた大型の蒸留器は、すでに一世代前のものになっているんですね。
アメリカン・クラフトウイスキー
アメリカではクラフトウイスキーの蒸留所が次々創設されて、バーボンだけでなく新しい試みのウイスキーが続々と生まれています。蒸留所の数は少なくとも1000か所は超えているといわれています。
アメリカへの入植は1600年代初頭に始まり、間もなくウイスキー造りが始まりました。東部から西部へと開拓されるにつれて、農業の傍ら小さなスチルで蒸留するといった業者、いまでいうクラフトウイスキー業者のようなものが、一時は2万か所にまで増えたといわれています。その後内戦などの影響で百数十か所に減り、2000年には13か所にまで統合されていましたが、世界的なウイスキーブームと共に国内消費が増えていき、爆発的なクラフトウイスキー創世紀を迎えています。
日本では主流はモルトウイスキーなのでほとんど実態が認知されていませんが、アメリカン・スピリッツ業界はすごく面白いことになっています。
バーボンスクエアにもいくつか仕入れています。
新世代のウイスキー達を試しに来てみてください。