中国醸造の桜尾蒸留所に見学に行った際に、同じ敷地内の焼酎の蒸留所にも入らせてもらうことが出来、いい体験をさせてもらえたので掲載します。
焼酎蒸留棟へ
前回の投稿で、桜尾蒸留所へ案内してもらう途中にいくつかある焼酎の蒸留所のひとつへ入れてもらうことが出来ました。
蒸留所の文字が見えたのでチェック
天廚貴人も飲みやすくていいですが、やはり達磨焼酎が有名ですかね。
建物の前には古びたポットスチルが。これは焼酎用だったのかな?使い込まれたあとが趣があります。
中に入ると広い空間の中にあちこち気になるものが。これが人生初の蒸留所へ踏み入れた瞬間。わくわく。
丁度作業をしている方がいたので話を聞けることに。
右手に見えたのはやはり原料の大麦でした。ひとつひとつの梱包がでかい!ウイスキー蒸留所の写真などで見ることはたまにありましたが、工場で仕入れるとなると単位の桁がちがいます。
中の大麦を少し見せてもらうことが出来ました。思いのほか粒がちっさい。ひとつ皮をむいて食べてみる。程よく空洞があって少しパサ付いているが麦の香ばしい香りが口に広がる。パンにしたら美味しそうな印象。
それにしてもこのひとの手のごついこと。職人の手だ。
奥には焼酎の蒸留機が。
シブいなぁ。無骨というか。ラインアームまで4Mほどの大きさでした。
このタイプは単式蒸留機ですね。こちらが本格焼酎にメインで使われているもの。
こちらは現在使われていない小型蒸留機。
もろみ醗酵
蒸留の仕組みについて簡単に説明を受けていると背面に隣の建物へ通じる入り口に気づく。隣は醗酵や貯蔵を行う棟らしく、こちらにも許可を得て入らせてもらいました。
中に入るといくつものタンクが。ビニールがかぶせてあるのはすべて醗酵中の桶。人間が落ちたら出てこれないほどの大きさのタンクを、足場を登って上から見せてもらえました。落ちると窒息してオダブツらしい。笑いながらも少し緊張。
上から見ると奥にもたくさんあった。これ、テレビとかで見る光景ですよね。すばらしい~。
シートがかけてあるのを少しはずしてもらい、中を覗くと・・
この光景!!ブクブク溶岩のように泡立っています。顔一つ分くらい開けてもらって、表面まですぐそこなんですが、熱気とガスが立ち昇って、陽炎のように見えにくくなっています。
あぁ、発酵したもろみと麦の甘く香ばしい香り~。
ウイスキー蒸留棟では醗酵槽のところまでは入れてもらえませんでしたが、ここでこの香りを嗅げたことはとても貴重な体験でした。(たまたま麦でしたし)正直、ウイスキーを飲みだしてから焼酎は飲まなくなっていますが、このとき嗅いだ香りは忘れ難い、良い香りでした。
麦香が手ごねピザを作っていたときを思いださせました。
はなたれ試飲
その向いにも大きな貯蔵タンク郡が。
この棟の真ん中に試飲用スペースがあり、出来上がった焼酎の飲み比べが出来ます。
中でも「はなたれ」という、蒸留して出来た最初の液体部分を集めてポトル詰めしたものがあり、これは初めて口にする味で面白かったです。それでもひとくち舐めただけで強烈に個性を主張して、いつまでも口に残るような広がりを持っています。味としては、麦のはなたれは香りも味も甘く香ばしいが度数がきつくバランスも悪い感じ、芋は香りは爽やかでしたが味は重く雑未が多い。
通常、最初と最後の出涸らし部分はカットされて、メインの商品には使われませんが(隠し味的に使われることはあるようです)、マニア向けに「はなたれ」を加水調整したものを瓶詰めして販売もしているそうです。
ちなみに、このとき味見したのは60度以上のものでしたが、ウイスキーで60~70でも美味しく飲めるものはよくあるので、焼酎でも濃くても美味しく飲めるものがありそうだと思いました。
さらに奥にはこーんなでっかいタンクも。
工場見学って普段行かないから目に付くものなんでも興味津々。
いやぁ~勉強になりました。
脱線してこんなに見せていただいて竹内さんありがとうございました。