先週から引き続きアイリッシュ・ウイスキーの入荷ボトルを紹介します。
Tullamore Dew
Single malt
Aged 14 years
タラモア・デュー 14年 のシングルモルトです。
通常品(ノンエイジ・ボトル)はすっきりした味のブレンデッド・ウイスキーとして評判の高いこのブランドは、14年ものはシングルモルトとして発売しているところがおもしろいですね。他に12年もあるようですが、そちらもシングルモルトではありません。
同名ブランドでブレンデッドとシングルモルトを出し分けているているのも またおもしろいですね。アイリッシュならではなのかな?次はスタンダードボトルか12年を狙ってみたくなります。
入れ物の箱もユニークで、和柄っぽい内側のケースを横にスライドして出す方式。
この特別感。
箱の記載にはシングルモルトの他に、Triple Distilled(三回蒸留)とFour Cask Finish(4種の樽仕上げ)の文字が。三回蒸留はアイリッシュウイスキーの伝統製法で、単式蒸留器で丁寧に仕上げられたクリアな酒質を意味します。
「フォー・カスク・フィニッシュ」のところに、「Old Bourbon, Oloroso Sherry, Port & Madeira」とあります。 これは、バーボン樽、辛口シェリー、甘口のポートワインとマデイラワインの樽を使って追熟仕上げを行っているものをヴァッティングしている、ということだと思います(まさか4種すべてに漬け廻してるわけじゃないでしょうw)。
ネットで見ると他の年代のものにもこの4カスクフィニッシュ表記がみられるので、これがこのブランドのひとつの”売り”になっているんでしょうね。
タラモアデューのブレンデッドといえば、ホット・カクテルの「アイリッシュ・コーヒー」のベースとしても有名だそうで、最初にベースとして使われたのが、このタラモアデューだったそうです。
バーボンスクエアでも珈琲を出していて、ホットカクテルではアイリッシュコーヒーならぬ「カナディアン・コーヒー」と名をつけたカクテルを出しています。
今年の冬はアイリッシュコーヒーをタラモアで試してみましょうかね!
”タラモア”とはアイルランド中央にある町の名前で、このブランドは200年近く前から同町にあったタラモア蒸留所で造られていた歴史あるウイスキーです。しかし1950年代に閉鎖されてからは、同じアイルランドの蒸留所として歴史の深いミドルトン蒸留所で醸造されています。
D.E.W.というのは創業者のイニシャルですが、続けて読むと「露」という意味になるそうで、タラモアの露と読みます。現在はアイルランド南部にあるコークという別の町で造られているので「故郷の雫」とも読むことができ、なんともノスタルジックな仕上がりになっています。
Shot bar Bourbon Square
Mikawa Cho 1-2, Upstairs
Nakaku Hiroshima City
Tel : 082 242 3668
[ 17:00 – 2:00 ]
追記、
8月22日に開栓したので試飲。
鼻を近づけたとたんチェリーのような香り、とても甘くアルコールの刺々しさがない。
口あたりなめらかでアプリコットや熟した果実のような甘味。口に広がるにつれてカスタードのような樽香。
余韻は短く後に引かない。蜂蜜のような甘味が過ぎた後に革や茶葉やタバコのフレーバーが残る。
上品なバーボンのような印象もうけた。食後やナイトキャップにも。
後味しつこくないので少量飲むときのチョイスにもいい。