十年明マンザリーニャカスク,北陸ウイスキーとスペイン樽の出会い

北陸エリア限定発売の「十年明」ブレンデッドウイスキー。

バーボンスクエアのラインナップにも加わり、記事にもとりあげてから好評いただいていました。

 >北陸限定ウイスキー、十年明 じゅうねんみょう

 

十年明 Manzanilla Cask Finish

今回は新たに、十年明をシェリー樽で追熟した「十年明マンサニーリャ・カスク・フィニッシュ」というのが加わりました。

シングルモルト余市・宮城峡でも2018年にサンマリーニャウッドフィニッシュを発売して一部で話題になりましたよね。

マンザリーニャというのはシェリーの一種で、スペイン南部、アフリカとのジブラルタル海峡付近のサンルーカル(サンルーカル・デ・バラメーダ)とよばれる地域で作られる辛口シェリー ”フィノ”のことを特別に「マンサニーリャ(Manzanilla)」と呼ぶそうです。

サンルーカルは海にとても近い地域のため、そこで造られるフィノは一般的に塩のニュアンスを感じるなどの個性を持っているため、同じ辛口シェリーは数あれど 別の名前で呼ばれるようになったそうですね。

 

テイスティング

十年明は無着色でボトリングされているそうですが、このマンサニーリャカスクは スタンダードのハーフディケイドに比べてウイスキーの色は濃いめ。

マンサニーリャシェリーが20年以上熟成されていた樽で約1年間追熟させたものだそう。

香りは ピーティ。十年明が持つスモーキーさはそのままに重みが増したのでまるでスコッチのアイラ島のウイスキーのような香りでした。

ですが酒質は軽く、口に含んでからは アタックこそ強いものの、全体的にかろやかなのが不思議な感覚でした。

そのまま すっと飲み込んでしまえるようなほど軽いのですが、唾液にまぜて舌の上でころがすと刺激的に変わります。

一口目が あまりにすっと終わってしまったので気づきませんでしたが、二口目に刺激を楽しんだあと 余韻に香ばしいナッツの甘みが残るのを感じました。

初めに香る重い燻香と、全体的な塩気の雰囲気と変化する刺激味、あとからやってくるほのかなナッツの甘み、と個性があるにもかかわらず しつこくない印象で、今までのジャパニーズウイスキーにはなかった味を表現されているように感じました。

 

余談ですが

そうそう、先週土曜日にこの十年明マンサニーリャ・カスクフィニッシュをちょうど開けたとき、メキシコから来ていたカップルがいまして、メキシコはスペイン語圏ですからシェリーのことや、「マンサニーリャって何?」というところの話はまさしく彼らのお国の話でして、

マンサニーリャカスクはシェリーのことだが、そういう名前の(語源の?)花があるんだといって彼女のほうが写真を見せてくれましたが、白いコスモスのような花でした。

そしてその彼がまた、バーカウンターを家に作ってボトルを40本くらい常備するほどのバー好きだったので、話が弾んでしまい(写真で見たカウンターはかなり立派なものでした)、あまりシェリーの話はできなかったのですが、シェリーに詳しい人は広島でも増えてきているみたいなので、詳しいことはまた聞ければなと思います。

いままではシェリーにあまり興味がなかったのですが、これを試してからはちょっとアリかなと思いました。

 

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